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区議会第2回定例会は本会議一般質問が終わり、これから委員会審議に入っていきます。今回出番のなかった私は、ここ何日かは会派として提出する意見書(案)の案文づくりでうんうんとうなっていました。
「意見書」というのは、地方議会の意思・要望を国の政策に反映させるために、地方自治法第99条の規定に基づき、提出するものです。
先日は清瀬市議会で「舛添都知事の政治資金疑惑等に対し全容解明と辞職を求める意見書」というのが自民・公明含め全会一致で可決されニュースになりました。
地方議会の「意見」ということなので、多数の意思により議決される必要があります。議会によっては全会一致での可決の原則を取っている所もありますが、中野区議会は通常の議案と同じで過半数による可決でOKとなっています。
今回、共産党から提出したのは
「元海兵隊員の米軍属による女性死体遺棄事件に関する意見書」(案)
「原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書」(案)
の2本です。
第1回定例会の最も大きな仕事と言っても過言ではないのが、来年度予算案の審議です。
予算審議では全体会での総括質疑だけでなく、所管する分科会での質疑、共産党は予算組み替えを求める動議も提出するのでその準備、そして予算案に対する討論と勉強・準備するものがたくさんあります。
その中で私は討論を担当しました。
そして一般会計予算については以下の3つの理由から反対の立場で討論を行いました。
①巨額の基金ため込みを行う予算案になっていること
中野区は平成24年度予算編成の際に“財政非常事態”を宣言し、障碍者福祉手当の削減や就学援助の基準切り下げなど、様々な福祉施策の切り捨てを行ってきました。しかし基金残高は毎年増え続け、今年度末には総額でなんと609億円にもなります。“財政非常事態”などでないことは明らかですが、来年度予算案でさらに94億円もの積立を行う予定です。この一部の活用で区民の願いに応えることが可能です。
②区民合意のない大型開発に巨額の支出を見込んでいること
中野駅周辺の開発には約35億円を支出する見込み。平和の森公園の目的を根本から転換してしまう公園内への陸上競技トラックと体育館建設についても、区民の不安・疑問の声にも答えず、2019年の開設をめざし、 3月に基本計画 (素案 )、4月に基本計画 (案)、5月に基本計画を策定、 6月からは設計を開始するなど急ピッチ で作業を進めていくとしています。
③区民の願いに応える施策は不十分なこと
中学生学習支援事業の拡充や重症心身障害児(者)レスパイト事業の開始など一部には前進は見られるものの、子どもの貧困対策は「まずは実態調査を」という声にすら背を向け、保育園待機児童の解消施策も含め、求められている水準からは不十分と言わざるをえません。
反対討論の原稿はこちら(PDFで開きます)
予算案についての各議員の表決態度は以下の通りです。
①一般会計予算、国民健康保険特別会計予算、後期高齢者医療特別会計予算、介護保険特別会計予算は 反対8:共産、無所属(むとう) |
②用地特別会計予算は 反対7:共産 |
残念ながら予算案は原案可決とされてしまいましたが、一方でこの間の要望や運動の成果として実ったこともあります。引き続き、日本国憲法の活きる誰もが暮らしやすい中野区の実現をめざして奮闘していきます。
「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)」の中で、「児童館・U18プラザ(全20館)を廃止する」という方針が打ち出されました。これまで中野区は、小学校内のキッズプラザ開設に伴って児童館を順次廃止しつつ、地域の子育ての拠点としておおむね中学校区にひとつのU18プラザ(全9館)を整備するとしてきました。
しかし今回の方針は児童館とU18プラザ全廃するというものです。中野の子育ての拠点は今後どうなってしまうのでしょうか。
この方針は今回の2016年第1回定例会で突如として打ち出されたものでした。(下図参照)
「U18プラザの中高生利用がのびてない」「ニーズが多様化している」と区は説明します。しかし、現行の区の計画でもU18プラザは中野区にたった9館しか残らない乳幼児親子の大事な交流の場であり、遊び場なのです。廃止をする理由にはなりません。
この方針によって中野区には子育ての拠点として何が残るのでしょう?
乳幼児親子は“相談の場”である商店街の空き店舗や保育所・区有施設の中に作るとしている子育てひろばに
小学生は民間委託されたキッズプラザに
中高生は居場所そのものがなくなり「地域とのつながりや社会貢献に向けた事業をおこなう」
となっていきます。
今回新たに打ち出された「子育てひろば」と「中高生向け事業」は誰がどのように事業を担っていくのかも全くの不明です。中野区が「子育て支援機能を拡充する」としている区施設であるすこやか福祉センターは区内にわずか4か所しかありません。
かいつまんで言えば、
中野区は「区の施設として身近な子育ての拠点をなくしてしまう」のです。
これで「10か年計画」(第3次)(改定素案)では「安心して産み育てられるまち」を作ると言っているわけですから、何を言っているのやらです。
こういった大幅な方針変更が職員や住民にも何ら知らされることなく発表されました。中身もその手法も許されるものではありません。
さて、今審議されている「10か年計画」(第3次)(改定素案)は、3月に行われる常任委員会での審議を受けて「10か年計画」(第3次)(案)となり、区民によるパブリックコメントが行われます。パブリックコメントの時期は恐らく4月になるのではないかと思われます。どうぞご意見をお寄せください。
※追記「10か年計画」(案)についてのパブリックコメント手続きが開始されました。期間は3月20日(日)~4月11日(月)となっています。
中野区ホームページ「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(案)に係るパブリック・コメント手続について」
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/101500/d022252.html
U18プラザの廃止方針は「10か年計画」(案)本文の140ページに書いてあります。
今回の児童館・U18プラザ全廃方針についての区政報告「はばたき通信第9号」を作成しました!ぜひお読みください。
また今回、児童館問題を学ぶにあたって「未来へ―児童館の25年」という中野区が発行した冊子が大変に勉強になりました。リンクを貼りますのでぜひ読んでみてください。児童館も何もないところから区職員が地域とともに模索して児童館を作っていった誇りある歴史が分かります。(以下で各章のPDFデータが開きます)