私が総括質疑を行った第3回定例会の報告である「はばたき通信」第34号を発行しました。どうぞご覧になって下さい。郵送をご希望の方はぜひ このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 までご連絡ください。

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habataki34

 

1.第3回定例会報告 総括質疑ハイライト PCR検査拡充、基金活用、気候変動対策を求めるhabataki34 1
9月7日から10月13日にかけて行われた区議会第3回定例会において、決算特別委員会で質問に立ち、区民のくらしと経済を守るために様々な提案を行いました。質問の中身を紹介します。

(1)PCR検査拡充について
羽鳥 高齢者施設で無症状者も含めた定期的なPCR検査の実施を
区 多くの課題があり、慎重に見極める必要

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑えることと、社会・経済活動を再開することを両立させるカギとなるのが、検査と医療を抜本的に拡充すること、そしてその要となるのがPCR検査の拡充です。
私は国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センターがコロナに感染しつつも無症状者の人から感染が広がった可能性を指摘している中で、(画像出典:国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センター「新型コロナウイルスSARS-CoV-2 のゲノム分子疫学調査2(2020/7/16 現在)」より抜粋)無症状者まで含めた大規模な検査を行い、コロナ感染を広げうる人を発見することが必要ではないかと区の見解を質しました。区は「情報収集に努めたい」と言うだけで、「無症状者まで含めた検査の実施の予定はない」と答弁しました。
 そこで私は、東京都が特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院の職員と入所者15万人を対象としたPCR検査への補助を行うと発表したことを受け、その対象外となる認知症グループホームやデイサービス施設などで定期的なPCR検査の実施を求めました。しかし、これに対しても区は「精度の管理や検査の間隔、陽性時の事業継続の問題や防疫業務との連携の在り方など多くの課題を有しており、慎重に見極める必要がある」と拒否をしました。
 最後に私は現在、党区議団が実施しているアンケートでPCR検査基準の拡充を求める声が区民の圧倒的多数であることを紹介し、感染拡大を抑えるために改めてPCR検査の拡充を求めました。


(2)区民の暮らしのため、基金を活用せよ
羽鳥 来年度予算編成にあたっての20%の経常経費削減は見直すべき
区 これを目標に予算編成を進めていく
羽鳥 これまで貯めてきた財政調整基金を使い、区民の苦境に寄り添うべき

第3回定例会の初日、酒井区長は行政報告を行い、その中で「これまでの財政規模を維持することは困難であり、財政的な非常事態にある」「次年度の一般財源は92億円減少する」と述べました。そして、区の各部署に2021年度予算編成にあたっては経常経費20%削減を行うよう方針を示しています。
私が「財政調整基金からの繰り入れを行うのか」尋ねたところ、区は「まずは繰り入れを前提とせずに取り組みを進める」と答弁。私は「区民の生活がこんなに大変な時に、区の基金は減らさないという方針を出すというのは、区民の生活について一体どう思っているのかと疑わざるを得ない」と批判するとともに、経常経費20%削減方針は改めて、コロナウイルスの感染拡大による深刻な影響が出ている今こそ、これまで貯めてきた財政著政基金を使うべきと求めました。


(3)鷺宮西住宅の建て替えをすすめよ
羽鳥 鷺宮西住宅の建て替えと西武新宿線連続立体交差事業に合わせたまちづくりは切り離せないか
区 鷺宮西住宅の建て替えは必ずしも連続立体交差事業と一緒に進めていく必要はない

 鷺宮西住宅はまもなく築60年を迎えようとしており、老朽化による施設の不備やエレベーターがないことに住民の高齢化も合わさり、早期の建て替えとそれに伴う負担の軽減が求められています。これまで区は建て替え時に必要となる幅員6.5メートルの接続道路が確保できないこと、西武線連続立体交差かと合わせたまちづくりと一体での建て替えを意識していたことから、「早期の建て替えは難しい」と考えられてきました。
しかし今回の質問で区は「幅員6.5メートルの道路がなくても建て替えできる方法を検討していること」「必ずしも連続立体交差事業と一緒に進めていく必要はない」との認識を示しました。


(4)大幅な二酸化炭素排出量の削減目標を定めよ
羽鳥 環境基本計画を改定するにあたって二酸化炭素(CO2)削減目標は気温上昇を1.5度未満に抑えるものにするか
区 国の目標をふまえ、適切に目標を設定し、二酸化炭素(CO2)排出量削減目指す

 中野区は来年度に環境基本計画の改定を控えています。今の気候危機ともいえる状況を抑えるには徹底的なCO2削減が必要です。現在の日本政府の目標はパリ協定に沿ったものとは言えません。パリ協定に沿ったものとするには2040年~43年にCO2排出量をゼロ(図表参照)にする必要があります。そのことを求めましたが、区の答弁は「適切に目標を設定し」とあいまいです。私は「科学に整合を取って未来に責任ある目標の設定を」と求めました。


質疑映像配信中
区議会ホームページにて決算特別委員会総括質疑の録画映像がご覧になれます

1.2019年度決算について
(1)保健所体制とPCR検査について(1分50秒から)
(2)区財政運営について(37分50秒から)
2.鷺宮西住宅の建て替えについて(33分00秒から)
3.区民に寄り添う対応と職員体制について
(1)国民健康保険について(58分40秒から)
(1)国民健康保険について(初めから)
(2)債権管理について(11分47秒から)
(3)中小企業の実態把握について(15分42秒から)
(4)生活保護行政について(17分05秒から)
4.環境基本計画改定について(23分50秒から)


2.コロナ対策前進 第3回定例会で成立した補正予算の中身
①PCR検査等準備金 PCR検査等を実施する医療機関に50万円を支給
②新生児特別定額給付金 今年度中に生まれた区内の新生児を対象に1人5万円を支給
③給食事業者支援 区立小中学校臨時休業中、学校給食の中止によって影響を受けた給食食材納入業者へ補助
④65歳以上インフルエンザ予防接種の無償化 自己負担を無くして接種を増やし、医療崩壊を防ぐ
⑤プレミアム付き商品券 5000円で6500円分の商品券を発行し、区内の消費喚起・商店支援
⑥震災時避難所への間仕切りの配備 飛沫感染防止対策のために48カ所の避難所に配備(予備費対応含む)


3.少人数学級の実施を求める意見書が全会一致で可決
 第3回定例会において、党区議団は4つの意見書を提案し、「少人数学級の実施を求める意見書」が文言調整の上、全会一致で可決しました。国においても少人数学級の検討が進められており、早期の実施が求められます。
 その他に党区議団が提案した「羽田空港新飛行ルートの再考を求める意見書」「PCR検査体制の拡充を求める意見書」「給付型奨学金制度の拡充を求める意見書」は否決されてしまいました。


4.2021年度予算編成に向けた要望書を提出
この間、区内各団体の方々との懇談や区民・事業者アンケートで区政へのご要望をお伺いしてきました。その中身を「2021年度予算編成についての要望書」としてまとめ、酒井直人区長宛に提出し、予算編成にしっかりと生かしていくことを求めました。


5.区民アンケートへのご協力ありがとうございます
9月からお配りしている「中野区民アンケート」には、10月30日現在で4000人以上の方から返信をいただいています。議会論戦などに活かすとともに、今後結果も報告いたします。まだご回答いただいていない方はこちらのリンクから、回答する事ができます。


6.第3回定例会日誌
9月7日/本会議 区長が行政報告。中野区が「財政的な非常事態にある」と言及。
9月9日/本会議 来住議員が質問。震災時の通電火災予防に大きな効果のある感震ブレーカーの普及のために区の制度改善を求めた。
9月10日/本会議 長沢議員が質問。「子どもの貧困実態調査」の結果に基づき、ひとり親世帯へのさらなる支援や高等学校等修学支援金制度の検討を求めた。
9月16日/決算特別委員会 羽鳥議員が質問。詳細は記事で。
9月17日/決算特別委員会 小杉議員が質問。児童相談所の職員体制をきちんと確保するよう求めた。
10月5日/厚生委員会 重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業の年間利用上限の拡充が示される。党区議団が実施を求めていた。
10月8日/交通特 シェアサイクル事業について、公園内に設置されているサイクルポートから自転車があふれ、公園利用者に迷惑をかけていると指摘。適正管理を求めた。
10月13日/本会議 本町・東中野図書館廃止条例が可決される。日本共産党は区の「あり方検討会」での方向に基づき、存続を求めて反対する。


7.日々雑感
ヤマシタトモコ『違国日記』 「生き方」を押し付けない大人になりたい
 「結婚してこそ一人前」など「自分にとって良かった生き方」が他者にも当然のように当てはまると思い込んでる大人が多い中、今作の主人公、高代(こうだい)さんは鮮やかにそれを否定してくれます。自分なりの考えや倫理観を持ちつつ、それを他者に押し付けないというのは難しい。自分も彼女のようになりたいなと思いながら読んだのでした。